『両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」』── チームの強化に役立ちそうな本を勝手にレビュー #38
「両利きの経営」を組織論として説く
本書は、市場で確固たる地位を築いてきた成熟企業が、既存事業を維持しながら、新規事業を立ち上げ、新たな収益の柱を築いていく「両利きの経営」に焦点を当てた一冊だ。両利きの経営を組織戦略と位置づけ、日本の企業が「両利きの経営」を実現するための組織開発のアプローチを、理論と実践、そしてAGC(旧旭硝子)の成功事例の3つの要素を織り交ぜながら説いている。
メインの著者である加藤氏は、株式会社アクション・デザインの代表取締役であり、2000年からの20年以上の長きにわたり、大手企業を中心に人材育成・組織開発のコンサルテーションやエグゼクティブ・コーチなどを展開して...