『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』── チームの強化に役立ちそうな本を勝手にレビュー #27
「引退国家」から復活するための道筋を示す
日本は、G7(主要先進7カ国)で初めて“引退した国”になった。米国では、そんなふうに言われ始めているよ──。本書の筆者、安宅氏は、あるパーティで米国の友人にこう告げられ、悔しさを表情に出すのを必死にこらえたという。
世界におけるビジネスの一線から退いた“引退国家”──。そう揶揄されてもしかたがないほどに、過去20年間、日本は成長・発展を止め、さまざまな指標で他国に抜き去られ、とても先進国とは言えないような状況に陥ってきた。本書でも指摘されているとおり、GDPの伸び率も、国民の生産性も、企業価値も、他の先進諸国や中国・韓国などの後塵を拝し、少子高齢...