『失敗の殿堂―経営における「輝かしい失敗」の研究』── チームの強化に役立ちそうな本を勝手にレビュー #42
「失敗」を知的創造につなげるための指南書
本書は、失敗を新しい発見や価値創出につなげる手法を説いた一冊だ。著者のポール・ルイ・イスケ氏は、オランダのマーストリヒト大学ビジネス・経済学部の教授であり、オープンイノベーションとビジネスベンチャリングを専門とし、同学の「輝かしい失敗研究所(Institute of Brilliant Failures)」でCFO(Chief Failures Officer:最高失敗責任者)を務めている(本書執筆時点)。
本書によれば、輝かしい失敗とは、単純な過失や犯罪のことではなく、価値を生み出そうとしたものの本来意図した結果が出せなかった試みを指し、失敗の...