アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』より。アトラシアンでプラクティス プロダクトのリードを務めるイングリッド・ブレイク(Ingrid Blake)が、チーム内で共通理解を確立するための効果的な手法について解説する。

方法2: アトラシアンの“プラクティス”を使用して共通理解を確立する

アトラシアンでは、社内での取り組みを通じて「Team shaping practice path(チーム形成のための一連のプラクティス)」(英語)を確立した。これは、効果的なコラボレーションが行えるチーム(=効果的なチーム)をかたち作るためのソリューションだ。

アトラシアンでは、このソリューションにもとづいた演習コンテンツを「Team Playbook」を通じて提供している。

Team Playbookにある演習コンテンツ(プレイ)を使うことで、チームの目的、目標に対する共通理解をステップバイステップの方式でスムーズに確立することができる。以下は、その共通理解を確立するためのステップである。

ステップ1: チームの目的と目標を明確にする

チームの目的、目標に対する共通理解を確立する際の最初のステップは、チームの全員が「何を達成しようとしているのか」「なぜ、それが重要なのか」を理解しているかどうかを確認する作業となる。なお、このステップにおいてTeam Playbookの「Team Poster」(英語)プレイを使うことで、チームの目的、目標、目的・目標達成の指標を適切に視覚化でき、それによってメンバー全員の共通理解を促進し、足並みをそろえることができる。

チームの目的、目標、指標を作成したのちには、それに付随する情報として「チームメンバーの自己紹介文」「メンバーの連絡先」「FAQ」といった情報も作成する。それらの情報を合体させることで、ステークホルダーなどと共有する社内用のWebページを構成することができ「チームが何を達成するために存在しているのか」「その何かを、どのようにして達成しようとしているのか」をチーム外のすべての関係者に伝えることができる。

ステップ2: 誰が何に対して責任を持つかを明確にする

Team Playbookにある「役割と責任」のプレイを実行することで「チーム内の誰が、何に対して責任を持つか」を明確にすることができる。仕事に関する意思決定のオーナーシップを巡り、チーム内で緊張が走るというのは最悪に近いことだ。

また、あらゆる物事を合議制で決めるというのは非効率で時間もかかり、メンバーの間に「意思決定疲労」が蓄積していく。そのような事態を避けるためにも、メンバー各人の役割と責任を明確にし、全員で合意・共有しておくことは大切であり、そうすることでチーム内での意思決定のスピードが増し、かつ、メンバー各人が、チームの目的・目標の達成に向けて責任感と自主性をもって取り組むようになる。

ステップ3: メンバー間で最高レベルの協力関係を築く

人は予測不可能な生物である。働き方や価値観、個人的な嗜好は人によって異なり、しかもそれらは不変ではない。そこにリモートワーカー、ハイブリッドワーカー、オフィスワーカーがともに働くという複雑さが加わることで、チームは混乱しやすくなる。

したがって「いつ、どのような目的のもとで、どのようなコミュニケーションチャネルを使うか」のチーム内ルールを明確にしておくことが重要となる。また、そのうえで、個人のニーズや指向する働き方などについて協議し、チームとしての作業モデル、ないしは作業協定を整理・作成し、共有しておくべきである。ちなみに、Team Playbookにある「ワーキングアグリーメント」のプレイを使えば、チームにおける作業合意を効率的に作成することが可能になる。

なお、チームにおける意思決定の中には、チームのマネージャーに最終的な判断を仰がなければならないものもある。こうした重要な意思決定を、どういったプロセスを踏んでマネージャーへとエスカレーションするか、また、マネージャーが最終的な判断とその理由をどのようにしてメンバー全員に伝えるかも明確に取り決めておくことが望ましい。

ステップ4: 目的・目標の整合性をチェックする

企業のチームは、大抵の場合、単一のチームで仕事が完結しない。例えば、セールスチームであれば、プロダクトの企画・開発、製造のチームやマーケティングチームとの協議、ないしは連携の中で特定の目標が設定され、その達成に向けてタスクをこなしていくことになる。Team Playbookの「チームのネットワーク」プレイを実行することで、そうしたチーム目標の設定・達成に関係するすべてのチームをマッピングすることができる。このようにしてチーム同士の仕事の依存関係を深く理解することで、他チームの目標との整合性を確認しながら、調整を図り、効果的にコラボレーションしていくことが可能になる。

なお、他チームと協働していくうえでは、すべてのチームが同じ目標に向かっているかどうかを定期的に確認し合うことも忘れてはならない。このとき、Team Playbookが提供している「ヘルスモニター」のような仕組みを使えば、チーム間の連携が適切に行われているかどうかを評価し、改善点を特定することが容易になる。

ステップ5: 成功を祝い、失敗から学ぶ

チームの成果を認めて祝い、失敗について学ぶことのできる振り返りミーティングは、チームの戦略・戦術、あるいは目標に対する共通理解を深めるための良い機会でもある。

Team Playbookの「ふりかえり」プレイを使いながら、月1回の頻度で振り返りを実施してみてはいかがだろうか。こうすることで、自分たちの1カ月の仕事と成果に対する、さまざまなインサイトを得ることができる。

また、変化の激しい今日では、チームにおける戦略的な方向性や目的・目標達成に向けた戦術、あるいは目的達成のために成すべきことの優先順位がさまざまに変化する可能性がある。また、その変化が大きなものであった場合には、チームがそれに適応するまでに相応の時間を要することになり、チームの変化を適切にマネージすることも必須となる。したがって、チームマネージャーはチームの全員と変更管理にどう取り組むかの計画を立てることが重要となる。


繰り返すようだが、物事に対するチームの共通理解を深めることは、変化が激しく、かつ、働く場所の分散化が進む今日のワークスペースにおいて、チームワークのパフォーマンスを維持・向上させる必須の取り組みである。

その取り組みを前に進めるうえでは、チーム内外とのオープンなコミュニケーションと情報の共有、目的意識の共通化を図る必要があり、そうすることで、弾力性があり、革新的で、かつ目標達成に意欲的な組織を作り上げることが可能になる。また、チームのパフォーマンスを高める取り組みは、継続的な見直しと改善が必要とされる。ゆえに、アトラシアンでは、お客様もチームの一員と見なし、チームの改善に向けたフィードバックと協力を常に求めている。

This article is a sponsored article by
''.