ソフトウェア開発の世界から始まった「アジャイル」は、ビジネスのあらゆる関係者が協働し、予測不可能な未来に迅速に立ち向かうための手法として注目を集めている。そうしたアジャイル手法による組織の変革を支えるコラボレーション基盤が、アトラシアンの「Jiraプラットフォーム」である。本稿では、同プラットフォームの全容について、アトラシアンのプライベートイベント「Atlassian TEAM TOUR Tokyo」(会期:2021年12月15日)で展開された講演「進化するJiraプラットフォームで実現!組織横断アジャイル・トランスフォーメーション」の内容を基に紹介する。
本講演は、アトラシアンのソリューションエンジニア、皆川 宜宏によるものだ。

すべての組織にアジャイルなコラボレーションを

アトラシアンは現在、「すべてのチームにアジャイルなコラボレーションをもたらす」というJiraプラットフォームのビジョンを打ち出し、同ビジョンのもと、製品/サービスの「開発」「サポート・運用」「販売」をそれぞれ担うチームに向けて「Jira Software」と「Jira Service Management」、そして「Jira Work Management」という3つの製品を提供している(図1)。

画像: 図1:開発、販売、運用のチームに向けたJiraプラットフォームのラインナップ

図1:開発、販売、運用のチームに向けたJiraプラットフォームのラインナップ

上記3製品のうちJira Softwareはソフトウェア開発チームに向けたプロジェクト管理ツールとして長い歴史を持つ製品であり、アジャイル手法を採用する世界中の開発チームに支持され続けている。

また、サポート・運用チームに向けたJira Service Managementは、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)に準拠したサービス管理プラットフォームである。ITのサポート・運用チームのみならず、人事・財務・法務などのチームでも活用できるよう、数多くのフォームテンプレートが搭載されている。

一方、販売(営業、マーケティングなど)を担うチームに向けたJira Work Managementは、ITに精通してない一般のビジネスパーソンによる活用を前提にしたコラボレーション基盤だ。プログラムコードを記述しない「ノーコード開発」で各種のフォームが構築できるほか、プロジェクト管理のためのテンプレート(プロジェクトテンプレート)もさまざまに備えている。また一般のビジネスチームでは、多くがスプレッドシートやカレンダーなどを仕事の管理に活用しているが、そうした従来からのスタイルに大きな変更を加えずに、コラボレーションの進捗管理を可能にしている点もJira Work Managementの特徴と言える。

Jira Software やJira Service ManagementなどがIT系のチームをメインターゲットにしてきたことから、JiraプラットフォームについてはITに精通していないチームが扱うのは難しいというイメージが強くあった。ただし今日では、Jira Work Managementを含むJiraのすべての製品に数多くのプロジェクトテンプレートやフォーム、さらには設定済みのワークフローが標準で備えられている。ゆえに、ソフトウェア開発プロジェクトから販促キャンペーンに至るまで、多岐にわたるチームの作業をサポートすることが可能になっている。

さらにアトラシアンでは、開発チーム向けの新しい製品として「Jira Product Discovery」(図2)もリリースする。

画像: 図2:「Jira Product Discovery」の画面イメージ

図2:「Jira Product Discovery」の画面イメージ

この製品は、プロジェクト管理ではなくプロダクト管理に焦点を当てたソフトウェアだ。プロダクトマネージャー向けのツールとして設計されており、プロダクトアイデアの基となる情報の収集から、プロダクトアイデアと自社の製品戦略とのマッチング、各種の意思決定、さらには、決定事項の開発チームとの共有などを包括的にサポートする。

また、プロダクトアイデアを受け取った開発チームは従来、そのアイデアに基づく開発プロジェクトを立ち上げ、プロダクトを作り、リリースして運用へとつなげるまでに多くの手間をかける必要があったが、アトラシアンが提供している「Open DevOps」のソリューションを活用することで、その工数を大きく削減することが可能になる。

Open DevOpsは、Jiraプラットフォームで構成したプロジェクトでソフトウェアのリリース、運用を開始するためのプラットフォームだ。Jira Softwareを土台に多様なツールをオールインワンソリューションのように使用し、DevOpsの環境を形づくることができる。

データとAIでコラボレーションを効率化

Jiraプラットフォームを構成する製品群には、組織内、ないしは組織横断でのコラボレーションを効率化する共通の仕組みがいくつか存在する。なかでも重要な一つが「データ層」だ。

このデータ層には、組織の日々の活動によって得られたデータが蓄積されていき、それぞれが文脈(コンテキスト)を持ち、ユーザーに意味のある形で提示される。

例えば、Jira Softwareであれば、ユーザーがバックログのビューで作業をしていると、過去のスプリントでどれだけの課題を解決したかなど、次のスプリントに向けたプランニングに役立つ情報が提示される。また、デプロイのビューでは、プロダクトのリリース状況などを確認することが可能だ(図3)。

画像: 図3:Jira Softwareにおけるデプロイビューの画面例 この画面ではデプロイの頻度やサイクルなどの統計情報も確認できる

図3:Jira Softwareにおけるデプロイビューの画面例

この画面ではデプロイの頻度やサイクルなどの統計情報も確認できる

Jiraプラットフォームではまた、データ層に蓄積されたデータをAI(人工知能)、あるいは機械学習のテクノロジーを使って最大限に活用しようと試みている。

実際、アトラシアンではすでに機械学習のテクノロジーを使ったデータ活用のソリューションとして「Atlassian Smarts」を提供している。これは、クラウドプラットフォーム上に構築されたアルゴリズムと機械学習のテクノロジーを使用したアプリケーションである。

このアプリケーションを使うことで、例えば、クラウド版のJira Softwareにおいて、特定のタスクを割り当てるのに適した担当者を86%の精度で見出すことが可能になる。また、リリースしたプロダクトに何らかの問題が発生し、類似の問い合わせチケットが複数上がった際に、1つのアップデートによって一気に多くのチケットを処理する仕組みも構築できる。同じ作業を繰り返す手間を大幅に減らせるのである。

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