アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』から新着コラム。アトラシアンの働き方担当ブランドリード、クリスティン・デラ・ロサ(Christine Dela Rosa)がハイブリッドワーク体制下の「オフィスワーク」を効果的にする方策について説く。

オフィス空間での新たな振舞い方とは

ハイブリッドワークの体制下では、これまでのオフィスに対するこだわりを捨て、以下の点に留意すべきである。

デスクでの作業中に目にする人・モノを最小限に抑える

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London:UCL)の研究グループは2021年4月、職場のレイアウトが人に与える影響についての調査結果を発表した。それによれば、デスクワーク中に視界に入る人の数が少なくなればなるほど、私たちは自分の仕事をしっかりとコントロールしようとする意識が強まるらしい。それによって、自己管理能力を高めることができれば、精神的な安定性も高まるはずである。したがって、仮にオフィスがフリーアドレス制ならば、作業中に目に入る人の数を最小限に抑えられる場所を選び、仕事をするのが良策ということになる。

また、これはコラボレーションにも影響を与えるようだ。UCLの研究結果によると、目に入るモノに制限をかけた人のほうが、そうでない人に比べて、より良いチームワーク体験となる割合が高くなったという。この結果が、作業中に目に入るモノが少ないことによる「快適さ」がもたらしたものなのか、それとも「集中力の向上」によるものなのかは分からない。いずれにせよUCLの研究結果はオフィスレイアウトの考え方に新しい風を吹き込むものと言えるだろう。

自分の状況・状態を周囲に示す物理的なサインを使う

コロナ禍以前、オフィスで一緒に働く同僚たちに対して、いつ、どのようなタイミングで、どのように会話を持ちかけるべきか迷うことがよくあった。「いま、肩を叩いて仕事の邪魔をしても大丈夫なのだろうか」「(近くにはいるものの)何らかのメッセージを送ったほうが良いのだろうか」、あるいは「きちんとミーティングの予定を入れたほうが良いのだろうか」といった具合である。

このような「迷い」を周囲に与えないようにするには、チャットツールで自分の状態・状況をステータスで明示するのと同じように、オフィスでも物理的なサインで示すのはどうだろうか。

こうした物理的なサインは、自然な振る舞いの中で出すことも可能である。
「例えば、デザイナーが大きなヘッドフォンをつけて仕事をしている時は、『仕事に集中しているので、邪魔をして欲しくない』というサインになります。もっとも、このサインだけに頼ると、ヘッドフォンをしていない時は『あいてますよ!』と見なされてしまうリスクはありますが」と、アトラシアンのアートディレクター、ケリー・マックール(Kellie McCool)は明かす。

こうしたリスクを避けたければ、自分の状況・状態をより直接的に伝える表現を使うのが無難と言える。オフィスに自分用の個室があるなら、飲食店と同じようにドアのところに「Open」や「Close」のサインを出すことができる。また、デスクしかない場合は、片面が「赤」、片面が「緑」のカードを使って表現する手もある。

こうした直接的なサインは避けたい人もいるだろう(実は、私もその一人である)。そうした人は、デスクにあるものをサイン代わりに使うのが有効だ。

実際、私が以前働いていたチームでは全員に多肉系植物が配られており、その置き場所を変えることで「話しかけてほしくない」「話しかけてもOK」を示唆していた。具体的には「話しかけてもOK」のときは植物を机の端に遠ざけ、「話しかけてほしくない」ときには自分に近づけて置くようにしていたのである。

「オフィスライフ2.0」に向けて知っておくべき用語

  • ハイブリッドワーク:オフィスワークとリモートワークを折衷した働き方
  • 分散チーム:離れた場所で仕事をするメンバーで構成されるチーム

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