非同期型のコミュニケーションツールを活用する

非同期型のコミュニケーションツールもいろいろありますが、当社では自社のConfluenceを使っています。企画書や議事録などを作成して共有できるほか、SNSのように「いいね!」をつける機能もありますし、@をつけてメンションすると、人を巻き込んで会話もできます。

画像: Confluenceでは企画書や議事録などを作成して共有できる。また、SNSのように「いいね!」をつける機能や、@をつけてメンションすることによって、人を巻き込んで会話もできる

Confluenceでは企画書や議事録などを作成して共有できる。また、SNSのように「いいね!」をつける機能や、@をつけてメンションすることによって、人を巻き込んで会話もできる

もう一つあると良いのが、プロジェクト管理ツールです。テレワークでは誰が何の仕事をどれくらい抱えていて、どのような状況にあるのかよく分からないといった問題があります。その時に当社のTrelloやJiraが問題を解決してくれます。プロジェクトにあるタスクについて、誰が何をやっていて、どのような状況かを可視化できます。

Trelloは分かりやすく言えば付箋紙(ふせんし)のデジタル版のようなものです。カードにはメンバーや期限、詳細、関連するタスクなどをまとめておくことができます。カードはボードに貼って、リストとしてグループ化します。

画像: Trelloのカードにはメンバーや期限、詳細、関連するタスクなどをまとめておくことができる

Trelloのカードにはメンバーや期限、詳細、関連するタスクなどをまとめておくことができる

一方でJiraは、ワークフローがある業務の進捗管理に適しています。タスクをチケットという単位で管理して、このタスクが今どのような状況にあって、どういった経緯をたどってきたのかを確認できます。個別のタスクだけでなく、組織全体として誰が何を担当していて、どのような状況にあるのかを確認できるビューも用意しています。

さらに各タスクの依存関係や、タイムラインも確認できます。各担当者が自分のチケットを更新することで、リンクされている他の全ての情報が自動的に更新されるので、全体が常に最新の状態に保たれます。このようにチームや個人のタスクと、その進捗が見える化できると、チームワークが効果的なコラボレーションに発展していきます。

画像: Jiraはワークフローがある業務の進捗管理に適している。タスクをチケットという単位で管理して、このタスクが今どのような状況にあって、どういった経緯をたどってきたのかを確認できる

Jiraはワークフローがある業務の進捗管理に適している。タスクをチケットという単位で管理して、このタスクが今どのような状況にあって、どういった経緯をたどってきたのかを確認できる

日本の製造業の開発手法から生まれたアジャイル

成果をあげるコラボレーションから、さらに成熟度の高い4番目のレベルが、仕事の進め方をアジャイルにすることです。アジャイルはもともとソフトウェアから来た概念ですが、最近はビジネスの文脈で注目されるようになりました。直訳すると「素早い」「機敏な」という意味です。

従来のソフトウェア開発の世界では、ウォーターフォールが主流でした。最初に全ての機能を計画して、計画に従ってリレー方式で次のフェーズの担当者にバトンを渡し、最後にリリースする方式です。しかし、この方法では変化が早いビジネスの状況に追従するシステム開発は難しくなりました。

そこで、開発工程を機能的に分割して、短いスパンでものを作っていく。それをリリースして、フィードバックを受けて次のサイクルに反映していく。実験と学習のサイクルを、素早く頻繁に回す方法が考え出されました。これがアジャイル開発です。

アジャイルという言葉自体は、ソフトウェア開発によって世界に広がりました。そのヒントになったのは、1980年代に世界で高い競争力を誇っていた日本の製造業が新製品開発に取り組む手法を研究した、野中郁次郎先生と竹内洋岳先生の1986年の論文です。経営学や組織論を背景に育まれてきました。

特に、新製品開発などの不確実性が高い仕事は、実験と学習を高速に繰り返すことができる自己組織化されたチームでなければ成し遂げることはできません。この手法はスクラムと名付けられ、アジャイル開発のフレームワークとなっています。

アジャイル型の組織で変化に立ち向かう

アジャイルに仕事を進めるためには、組織の在り方も変えていく必要があります。AIや社会におけるデータ活用を研究されている日立製作所フェローで、ハピネスプラネット代表取締役CEOの矢野和男氏は、変化や多様性にスピードを持って立ち向かうには、4つの原則があると指摘しています。まず、実験と学習を繰り返すこと。次に、目的にこだわり手段にはこだわらないこと。そして自己完結的な機動力を持たせること。最後が「自律的で前向きな人づくり」に投資することです。

日本のビジネスマンなら誰もが知っているPDCAサイクルはプランから始まるサイクルであり、現実のビジネスの場面では通用しづらくなってきています。前例がないことに立ち向かうには、実験して学習していくしかありません。その際に野中先生や矢野氏が指摘しているポイントが、自律分散型の組織であることです。

自律分散型の組織の一例が米海兵隊です。海兵隊は上陸作戦の専門部隊で、陸・海・空軍の全ての要素を持ち、それらを統合して指揮します。予測不能の現場では、陸・海・空軍がそれぞれの思惑を持ちながら調整したのでは間に合わないだけではなく、判断がぶれてしまいます。

これを企業に当てはめると、創(つく)る人と販促する人、サービスを提供する人が一体になって動く、自己完結性と機動力が発揮できるチームになります。早くものを作って提供し、顧客のフィードバックを反映していくサイクルを、自律分散型のチームで高速に回していく。これがアジャイル型の組織です。アジャイル型の組織であれば、不確実性が高い中でも、変化に立ち向かうことができて、高いパフォーマンスを上げることが可能になります。

アジャイル型組織の働き方を支えるツールが、先ほどのJiraです。Jiraにはビジネスに関わるチームそれぞれに合わせた3つの製品があります。組織全体がアジャイルに動いていかないと、スピードの速い不確実な時代では戦えません。各チームの自律性を維持しながらも、全体の足並みをそろえて、組織を横断した透明性を確保することが、Jiraブランド全体で実現しようとしているビジョンです。

IT化やデジタル化はもはや不可避です。しかし、形だけIT化をしても根本的な問題解決には至りません。そのことを肝に銘じて、何のためにやるのかを踏まえた上で、自分たちの組織に合わせて、どのように実践していくのかが大事です。この点を議論しながら、実験と学習を繰り返してみてはいかがでしょうか。

画像: 各チームの自律性を維持しながらも、全体の足並みをそろえて、組織を横断した透明性を確保することが、Jiraブランド全体で実現しようとしているビジョンだ

各チームの自律性を維持しながらも、全体の足並みをそろえて、組織を横断した透明性を確保することが、Jiraブランド全体で実現しようとしているビジョンだ

This article is a sponsored article by
''.