アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』から新着コラム。アトラシアンのリサーチ&インサイト部門長であるレイサ・ライヒェルトが、アトラシアンの調査に基づきながら、リモートワーク(テレワーク)がチームに及ぼす深刻な影響と、その影響を最小限に抑え込むための方法について、前・後編の2回に分けて紹介する。
チームのメンバーがフルリモートで分散して働いていると、チーム内に必ずいくつかの問題──つまりは、バグが発生する。それを除去する方策としてお読みいただきたい。

調査結果2: 仕事ぶりの可視化に費やす時間が増大している

リモートワークを巡るもう一つの課題は、個々人は自分の仕事の効率性が高まっていることを感じながらも、自分の仕事ぶりが他者から見えないことに不安を抱くことである。以下は、そのことを示す調査報告の一文である。

多くの企業がビジネスを見直している時期は特に、人は、自分の価値を示したい、実証したいという願望を強く持つのが一般的です。そのため今回の調査でも、回答者の5人に2人以上(43%)が、リモートワークによって(自分の仕事ぶりが周囲から見えなくなることで)自分の雇用確保やキャリアに負の影響が出るのではないかと懸念しています。

また、調査に寄せられたコメントに目を通すと、チームのメンバーは「マネージャーは、自分たちがしっかりと仕事をしていることが見えていないのではないか」といった懸念を示し、対するマネージャーも「チームのメンバーたちの業務を把握できない」といった懸念を示していた。さらに、ミドルマネージャー層からは「自分の仕事の成果は見えにくく、会社から正しく評価されなくなることが不安でならない」といった声も寄せられている。

これらの問題をまとめれば、リモートワークによって自分の仕事ぶりが周囲から見えなくなることで、自分の雇用が脅かされるといった不安が、人々の間で広がっているということである。

さらに、営業部門のアカウントマネージャーやセールスパーソンにとっては、コロナ禍によって人との接触が厳しく制限されたこと自体が大きな痛手であり、リモートワークをする、しないにかかわらず、自身の価値を会社に示すことが難しくなっている。そのため、セールスチームの中には、プロジェクトに取り組む時間を集計し、マネージャーや会社に逐一報告しているところもあるようだ。

このように、自分の仕事ぶりや努力を会社に示すために多くの労力・時間を費やすというのは、リモートワークにかねてから潜在してきた問題でもある。この問題点について、私の同僚の一人で、フルタイムのリモートワーカーとして何年も前から働いている友人は次のように明かす。

オフィスで働いていると、自分の仕事に対する周囲の承認を簡単に確認できます。たとえ自分から望んでフルタイムのリモートワークを始めたとしても、こうした承認がない状況に慣れるには時間がかかるものです。結果として、自分の仕事ぶりや努力を認めてもらうことに必要以上の労力や時間をかけがちなってしまうのです。

言うまでもなく、コロナ禍対策として始めたリモートワークは大多数の人にとって自分が望んだ働き方ではない。加えて、多くの人が、経済的なストレスや将来に対する不安を抱えながら、日々のリモートワークをこなしてきた。それが結果的に、自分の仕事ぶりが周囲から見えなくなったことへの不安・不満の増幅につながり、自分の努力を可視化することに多くの時間と労力をかけるという状況につながっている。

実際、今回の調査でも回答者の3人に1人(33%)が「リモートワークを始める前よりも、仕事の進捗状況や作業の報告に多くの時間を費やすようになった」としており、このような時間と労力の使い方は「浪費」とまでは言わないまでも、決して有効なものではなく健全でもない。

【問題解決のヒント】

上述した問題を解決する一手は、成果主義の徹底だ。そもそもナレッジワーカーのパフォーマンスの高低や成果の過多は、労働時間の長短や努力の大小で測ることではできず、そのような評価を続けているのでは、ナレッジワーカー、ないしはチームのパフォーマンスを高めることは難しくなる。

したがって、人事評価の指標を労働時間や努力といった事柄から切り離し、成果による評価を徹底することが重要となる。またそうすることで、従業員たちは日々の業務の進捗を会社に逐一報告する必要はなくなり、ミドルマネジメント層もリモートワークによって自分に対する正しい評価が行われなくなる不安から解放されることになる。そしてコロナ禍によって、リモートワークを推進せざるをえない今こそ、人事評価を成果主義へと切り替える絶好の機会と言える。

この切り替えを行ううえでは、目標設定フレームワーク「Objectives and Key Results(OKR)」のようなツールを使うことが有効である。OKRを使って人事評価の基準をプロセスではなく成果に切り替えることで、従業員のワークライフバランスを適正化し、それぞれが個人的な目標やキャリアアップのために、より多くの時間を使えるようにすることができる。

一方、私たちがオフィスワークの中で慣れ親しんできた周囲からの承認についても、その大部分をデジタルの世界で再現することができる。例えば、今日では、SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットツールを、オフィスの雑談場所として機能させることが可能である。チームメイトが仕事であなたを助けてくれたなら、チャットツールで感謝を簡単に伝えることができる。

さらに、アトラシアンではSlackに追加できるアプリ「Karmabot」を使っているが、こうしたアプリを使えばオフィスにいるときよりも気軽に、自分の感謝の気持ちを表現することができる。これはなかなか楽しいことなので、ぜひ、試されたい。

以上、アトラシアンの調査結果から見えてきた、リモートワークがチームに与える影響とその対処法の内、2つを紹介した。後編では、残り3つの調査結果を見ていく。

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