アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』から新着コラム。アトラシアンのデータサイエンティスト、アリク・フリードマン(Arik Friedman)が、コロナ禍によるリモートワーク(テレワーク)によって、就業者のワークライフバランスが危機的状況にあることを数値で示す。

データが意味すること

コロナ禍によるオフィスのロックダウンによって、世界各国の、そして多くの産業の就業者が半ば強制的にリモートワークに移行させられた。就業者の中には、リモートワークの未経験者も少なからずいたはずで、そうした就業者は自身の働き方にリモートワークをどうフィットさせるかでかなり悩んだはずだ。しかも、就業者にとってプレッシャーとなったのは、不慣れなリモートワークを遂行しながらも、ビジネスをいつもどおりに継続させる必要があったことである。

そうしたプレッシャーの中では、仕事をする時間が増えてしまうのは、ある意味で当然のことと言える。しかも、リモートワークは家庭とオフィス、あるいは仕事とプライベートとの境界線が曖昧になり、オンとオフとの切り替えも難しい。上に示した分析結果は、こうしたリモートワークの問題点を示唆していると言える。

ちなみに、アトラシアンが2020年7月に実施した調査(*1)においても、リモートワーク中の就業者の多くが、仕事とプライベートの切り分けに苦労していることが明らかにされている。

*1 アトラシアンの調査(英語版)に関心のある方は、こちらよりダウンロードされたい。

また、就業者の多くが、仕事のペース配分をつかみあぐねており、適度な休息を挟まずに長時間働き続ける傾向にもあるようだ。

加えて、回答者の半数以上が、コロナ以前よりも仕事とプライベートの境界を維持することが困難になっていると答え、23%が就業時間外も仕事について考えることが多くなったとしている。

チームリーダーが果たすべき役割

上述した問題をまとめて言えば、リモートワークを実施している企業と従業員は、従業員が仕事のスイッチをオフにする、あるいは「燃え尽き症候群」に陥るのを回避する効果的な手だてを見出す必要があるということである。

さらにもう一つ、チームリーダーや経営幹部には、リモートワーク中の従業員(チームメンバー)に対して行うべきことがある。それは、1on1(1対1)ミーティングの一部をメンバーの幸福度・精神的健康状態(=ウェルビーイング)、さらには、仕事以外で何が起きているかのチェックに必ず使うことだ(1on1ミーティング自体を行っていないというのは論外なので、すぐに始めたほうが賢明である)。

これによって従業員たちは、それぞれの価値を再認識し、大事にされていると感じることができ、チームや会社に対する信頼感を維持することができる。

また、チームリーダーには、以下のようなアドバイスをメンバーにすることをお勧めしたい。

  • 1日の休憩時間・終業時間はしっかりとスケジュールし、その時刻が近くなった際には、リマインドが必ず通知されるようカレンダーを設定しておく。
  • 就業時間後は仕事で使う携帯電話の通知機能をオフにして、自身の充電のためにすべての時間を使うよう心がける。

コロナ禍が完全に終息するまでにはまだ一定の時間がかかり、また、コロナ後の世界でもリモートワークが働き方の標準的な選択肢になる可能性は高い。したがって、リモートワークは今後も、私たちの生活の一部であり続けるはずだ。ゆえに大切なのは、リモートワークをすべての就業者にとって快適で、機能的、かつ効果的な働き方にする方法を見出すことである。

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