「働き方改革」の旗印の下、リモートワークを推進しようとする国内企業が増えている。
だが、リモートワークには解決すべき課題も多く、『導入したがうまくワークしなかった』とぼやく向きも散見され始めている。ならば、どうすれば、リモートワークを機能させられるのか──。
ここでは、リモートワークを推進する海外の企業/リモートワーカーの体験から抽出した「成功するための7つの極意」をお伝えする。
「海外と日本は違う。海の向こうの話なんて参考にならない」と、考えるのは間違いである。
リモートワークを巡る問題に日本と海外の違いはない。どの国の企業も、同じことで悩み、解決の糸口を探しながら、今日に至っているのである。

極意①「リモートワーカーはすぐサボる」との認識は捨てる

ワーカーがサボるかどうかは、働く場所がどこかとは無関係だ。自分の成すべきことの期限やゴール、責任の重さ、報酬が曖昧であれば、リモートワーカーであれ、会社内で働くワーカーであれ、万国共通、誰もが、サボりがちになる。

■成功のTIPS

この問題を解決するためのカギは、リモートワーカーと定期的に対話し、彼らの責任、仕事の期限、目的、チームの期待値を明確に伝えることにある。
また、チャットとテキストを通じた対話だけではなく、ビデオチャットでリモートワーカーと定期的にコミュニケーションを取るようにする。たとえバーチャルな場であっても、フェース・ツー・フェースの対話は、互いの意思疎通にプラスの効果を与え、誤解を生じさせるリスクを抑えるのである。

極意②リモートワーカーの疎外感・不安感を和らげる

リモートワーカーのそばには、自分の働きぶりを日々見守ってくれる上司・同僚はいない。ゆえに多くのリモートワーカーが、自分の働きぶりを可視化・証明しようと必要以上に神経を使っている。
例えば、
「仕事のメールには数分以内で返信しなくては」、
「チャット会議には何があろうと参加しなくては」、
といった具合だ。
こうした行動の裏側には、自分たちはしょせん「外部」のスタッフで、社内のワーカーとは区別され、働きが正当に評価されていないのではないか、といった疎外感や不安感、不信感がある。

■成功のTIPS

このような疎外感、不安感、あるいは不信感を低減させる一手は、リモートワークのあり方を全社的に標準化することだ。また、リモートワーカーを含むチームのメンバー全員に各自の予定、多忙な日時をカレンダーに入力させて共有したり、チャットツールで自身の稼働可能な日時を適宜更新させたりすることも、リモートワーカーの疎外感を払拭する一手と言える。
当たり前の話だが、リモートワーカーも、朝起きて仕事に向かうのは他のワーカーと変わらない。違いと言えば、通勤に時間がかからないことぐらいである。決して彼らを特別扱いしてはならない。

極意③「リモートワークではチームの結束は生まれない」という先入観を捨てる

どこの国にも「リモートワークではチームの結束は生まれない」、あるいは「リモートワークを受け入れると、チームの結束が損なわれる」といった先入観を持つ向きがいる。
確かに、リモートワーカーで組織されたチームには、食堂での他愛のない会話や廊下での立ち話、就業後のノミニケーションもない。もし、それらがチームの結束を育むうえで最も重要な要素だとすれば、リモートワークからチームの結束は生まれないだろう。
だが言うまでもなく、仕事上のチームの結束、あるいはチームへのロイヤリティは食堂や廊下、居酒屋だけで育まれるわけではない。リモートワーカーで構成されたチームでも、やり方次第で強い結束が生まれるのである。

■成功のTIPS

リモートチーム内で、人と人とのつながりや信頼関係を強化する際に有効なのはビデオチャットである。ビデオでやり取される情報量は、テキストだけ、音声だけの対話よりもはるかに多い。そんなコミュニケーションの場を通じて、仕事の話だけではなく、自分のペットや仕事場の風景を紹介したり、共有したりする。それだけでチーム内に感情的なつながりが生まれ、結束が強まっていく。
ちなみに、ここでビデオの品質をあまり気にする必要はない。多少、画像が“カクカク”動いても、相手の表情が見えるだけで、人は互いの意図や感情をより正確に把握できるのである。

極意④「リモートワーカーは1日24時間稼働」という勘違いを正す

通常、会社内の人間からはリモートワーカーの姿は見えない。また、リモートワーカーの多くは自宅で仕事をしている。そのせいか、「リモートワーカーは1日24時間、仕事に対応してくれる」と勘違いする人が多い。
ただし、そんなことはありえない。会社で働くワーカーと同じように、リモートワーカーにも営業日の中に必ず「オン」と「オフ」がある。

■成功のTIPS

上述したような勘違いを避けるには、デジタルのチームボードを通じて、リモートワーカーの就業状況をトラッキングすることが大切である。リモートワーカーにもプライベートな時間帯があることを忘れてはならない。

極意⑤コミュニケーションとコラボレーションの要点を知る

リモートチームとのコミュニケーション/コラボレーションが上手く回っていないとすれば、それはやり方に問題がある。早急に改革・改善の一手を講じることが大切だ。

■成功のTIPS

リモートチームとのコミュニケーション/コラボレーションにおいては、次の2点が重要となる。

①相手のコンテキスト(状況、場)の把握
②グランドルールの構築
 
このうち、まずは「①」がなぜ重要なのかを概説したい。
チャットなどを通じてリモートワーカーと対話する場合、とかく相手が「今、どんな状況に置かれているか」──すなわち、相手の「コンテキスト」への配慮が疎かになる。ただ、この辺りを疎かにしていると、デジタルツールを通じた意思疎通は成立しない。
例えば、チャットでの相手の「そっけない返答」のワケが、対話のテーマに対する関心の低さによるものなのか、単に忙しいだけなのかが分からなければ、誤解が生まれる。それを避けるためにも、コンテキストの理解・把握が大切だ。

一方、「②」の「グランドルールの構築」とは、「いつ、何の目的で、どのようなツールを、どう使って情報交換・意思疎通を図るか」の基本ルールを決めておくことを指す。そうしたルールがないと、リモートチームとのコミュニケーション/コラボレーションはなかなかうまく回らないのである。

極意⑥チャットとビデオコールの違いを知っておく

リモートワーカーとのコミュニケーションでは、チャットツールやビデオ会議(ビデオコール)がよく使われる。ともに便利なコミュニケーション手段だが、有効に使うにはそれぞれの特性を理解しておくことが不可欠である。

■成功のTIPS

チャットとビデオ会議を上手に使い分けるコツは、下記の4点について理解しておくことである。

  1. チャットツールは人間性や真意を覆い隠すことができる
  2. 建設的なフィードバックは上手く伝えられない
  3. チャット上の対話では、「論争」か、単なる「ディスカッション」かの区別がつかなくなる場合が多い
  4. テキストベースのコミュニケーションは、誤解や感情のもつれをうみやすい

まとめれば、ビデオを通じたフェース・ツー・フェースの対話が、互いの人間性に対する理解を深め、意思疎通を円滑にする最も簡単で手っ取り早い方法ということである。

極意⑦会議の実効性を上げる

リモートワーカーか否かにかかわらず、自分が参加するチームの会議は、少ないほうが生産性を上げやすい。
ただし、チームにおいて「何をいつまでに終わらせるべきか」「何を準備すべきか」のコンセンサス作りや周知を徹底するうえでは、会議に勝る手段はない。そこで大切になるのが、いかにして会議の実効性を高めるかだ。会議の参加者全員が、同じ立場に立って意見を出し、建設的に物事を決めていく──。そんな場を作り上げることが重要になる。

■成功のTIPS

リモートワーカーがいるチームの場合、会議の場を作るうえで、絶対にしてはならないことがある。それは、社内で働くワーカーを会議室に集める一方で、リモートワーカーをテキストチャットと音声だけで会議に参加させることだ。
こうすることで、リモートワーカーから、会議室の様子が見えづらくなり、社内のワーカーとのコンテキスト(状況、場)の共有が困難になる。また、音声だけでは誰の発言かすら聞き取りにくい。
リモートにいるか、社内にいるかにかかわらず、チームの誰もがコンテキストを共有しながら、同じ立場、同じ視点で、意見が出し合えるようにすることが大切だ。

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