アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』から新着コラム。アトラシアンの働き方担当ブランドリード、クリスティン・デラ・ロサ(Christine Dela Rosa)がハイブリッドワーク体制下の「オフィスワーク」を効果的にする方策について説く。

ハイブリッドチームにおける「絆(きずな)」の強め方

コロナ禍の下、おそらく多くのチームがリモートワーク体制下におけるメンバー同士の「絆(きずな)」の強め方を学んだはずである。以下は、その学びをハイブリッドワークの体制下で活かすための方策である。

Web会議での平等性を継続させる

コロナ禍以前にオフィスで行われていた会議では、参加者の人数に対して小さい会議室を使うことがよくあった。こうした場合、先に部屋に着いた何人かだけがテーブルに設置されている椅子に座ることができ、視認性も高い。

加えて、1〜2名がリモートから参加するような場合、会議の主導権が会議室にいる参加者に握られ、リモートからの参加者は話題についていけなくなり、疎外感を味わうことも珍しくなかった。さらに言えば、会議が終了し、オフィスの参加者が自席に戻る途中に議題が継続され、リモートの参加者にその内容が共有されないこともあった。

このような会議の不平等が、コロナ禍によって一掃された。全員がリモートワーカーとなり、Web会議で参加するようになったからだ。したがって、ハイブリッドワークへと移行し、チームメイトの多くがオフィスに集まるようになったとしても、会議の形態をコロナ禍以前の不平等なものに戻さないようにすること──すなわち、参加者全員によるWeb会議の使用を継続することが重要と言える。

ちなみに、長年のリモートワーカーであり、アトラシアンコミュニティのリーダーであるファビアン・ロペス(Fabian Lopez)も、「誰もが同じように会議に参加できれば、より包括的な意思決定ができる」と主張している。

「オンラインハッピーアワー」を再考する

リモートで働くチームメイト同士の結束を強める目的で、「オンラインハッピーアワー(オンライン飲み会)」を行なってきた組織・チームは少なくないはずである。

では、このオンラインハッピーアワーは、ハイブリッドワークへの移行後もまったく形態を変えずに継続すべきなのだろうか──。私の答えは「ノー」である。ハッピーアワーはあくまでもレクリエーションであり、チームでの楽しみ方に制約を設けるべきではない。

対面でなければ楽しめないアクティビティがあるのであれば、オフィスにいるメンバーだけでそれを行えば良いし、ネットワークで相互につながるメンバー同士でなければ楽しめないアクティビティもある。一方、リモートのメンバーは、オンラインの飲み会ではなく、オンラインゲームをしたほうがリクリエーションとしては楽しく、懇親の意味でも有意義であるかもしれない。

チームメイトたちとオフィスに集まって仕事をしていると、何らかの成果を達成した時に、その喜びを手軽に共有することができる。このように対面のコミュニケーションによって互いの感情や理解、フィードバックを表現することは、チームの結束力を強めるうえで非常に有効である。というのも、物理的な空間を他者と共有するということは、互いのエネルギーを共有することでもあるからだ。ゆえに、あなたがチームメイトの仕事ぶりや成果を評価したり、褒めたいのなら、対面でのコミュニケーションで行う方が、ネットワーク越しに行うよりもはるかに強いインパクトを相手に与えうることを覚えておいていただきたい。