アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』からのコラム。プロダクト&ニュース担当の編集者、カリーナ・フィラファンデス(Karina Philaphandeth)が、チームミーティングの有効性を高めるアジェンダのつくり方を指南する。

すべてのアジェンダに必須の構成要素

先に述べたとおり、チームミーティングの目的や形態は多種多様であり、ミーティングごとにアジェンダのフォーマットは変えなければならない。ただし、あらゆるアジェンダに共通して含めるべき項目はいくつかある。その項目は次のとおりだ

必須項目①ミーティングの日時、場所

この項目は、チームのメンバーがリモートで分散して働いている「分散型チーム」にとって特に重要な情報となる。また、分散型チームの場合は、ミーティングの日時を決める段階でメンバー各人が、どのようなタイムゾーンの中で働いているかについても配慮が必要とされる。また今日ではミーティング場所がオフィスではなく、Web会議システムやチャットのチャンネル経由である場合も多いので、その辺りの情報も忘れずに記載しておかなければならない。

必須項目②ミーティングの目的と目標

アジェンダには必ず、ミーティングの目的と目標を明記しておく必要がある。すなわち、ミーティングの主催者は、そのミーティングが「なぜ催されるのか」「どのようなミーティングなのか」、ミーティングを通じて「いかなるアウトプットを得たいのか」を参加者全員に、明確、かつ率直に伝える必要があるというわけだ。この情報により、参加者の全員がミーティングにおける各自の役割を理解し、そのタスクの遂行に集中して取り組むことが可能になる。

必須項目③ミーティングの進行役と出席者

ミーティングのアジェンダに出席者と進行役を明記しておくことで、チームメンバーは自分がミーティングに必要とされていることを改めて確認することができ、何らかの事情でミーティングに参加できない場合に、誰にそれを伝えるべきかを知ることもできる。また、ミーティングの進行役は、メンバーが当該のミーティングで追加したいトピックがあった場合の連絡先としても機能することになる。

必須項目④アジェンダアイテム(議題)

「アジェンダアイテム」とは、ミーティングで議論する「トピック」と、議論の「目的、目標」、その達成に向けて参加者に求める「アクション」などを指している。いずれも、専門的な用語は使わずに簡潔にまとめ上げ、ミーティングで起こることを参加者全員が理解できるようにする。

必須項目⑤トピックごとの時間割

アジェンダには、各トピックについて、どの程度の時間を割いて議論するかのスケジュールも明記しておく必要がある。これは、ミーティングの進行管理を適切に行ううえでは必須の情報といえる。

必須項目⑥チェックイン

「チェックイン」とは、メンバーがミーティングに参加しやすい状況を作るために行う。先に触れたアイスブレイクをやるにしても、チームメンバーの状況や状態を確認する時間を設けることは大事である。こうすることで、マネージャーは、メンバーの仕事の進捗以外の状況についても把握でき、結果として、ミーティングに参加しやすい雰囲気が醸成される。

こうして作成したアジェンダは、遅くともミーティングの前日までにチームのメンバー全員に送付することを忘れてはならない。これにより、参加者は、ミーティングで何が議論されるかをつかみ、それに向けた準備をすることが可能になる。また、議論すべきトピックに見落としがあることを想定し、アジェンダに対するメンバーからのフィードバックも得られるようにしておくことも大切である。

アジェンダの作成を支援するテンプレート

以上のとおり、チームミーティングに向けたアジェンダづくりでは、考慮すべきことが意外と多く、その作成には一定の時間と努力を要する。なかには「そうまでしてアジェンダを作成する必要があるのか」と考える人がいるかもしれないが、良質なアジェンダをつくるために費やした時間は、ミーティングの生産性や効率性の向上によって十分に埋め合わせられることになる。

またWeb上には、アジェンダづくりに役立つ無料のテンプレートが数多く提供されており、アトラシアンでも「Confluence」で利用できる各種テンプレートを提供している。ぜひ、お役立ていただきたい。