アトラシアンでは2022年6月、日本のナレッジワーカーを中心にした就労者へのアンケート調査を実施した。テーマは「働く環境」と「働く満足度」との相関関係を調べることだ。その調査結果を「前編」と「後編」の2回にわけて報告する。

働く組織・チームへの満足度

本調査はビジネスメディアの『ITmediaビジネスオンライン』による協力のもとで行われ、日本の企業で働く649名からの有効回答を得た。回答者の大多数は、経営系、管理系、営業・販売系、開発系などの職務を担うホワイトカラーの就労者(ナレッジワーカー)である(回答者属性の詳しくは稿末の「回答者属性」の節を参照)。

本稿の導入文でも触れたとおり、今回の調査の目的は、職場での「働き方」や「人間関係」「コミュニケーション、情報共有のあり方」などを含めた「働く環境」と「働く満足度」との相関関係を調べることだ。その調査レポートの「前編」として、本稿では「オフィスワーク」「リモートワーク」「ハイブリッドワーク」といった働き方と、組織・チームへの満足度との相関関係を見ていく。

まずは、調査に回答を寄せた就労者が、自身の働く組織・チームに対してどの程度「満足」しているかについて確認しておきたい。その満足度を尋ねた結果が図1である。

図1:働く組織・チームへの満足度(5段階評価/n=635)

資料:アトラシアン株式会社 2022年6月調査(「働く環境の実態&意識調査」)

ご覧のとおり、働く組織・チームに対して「満足(大変満足/満足)」とした回答者は全体の46.1%となった。この割合を高いと見るか、低いと見るかは人によってさまざまだろう。ただし、企業で働く人の過半数が自分の組織・チームに「満足していない」というのは決して健全な状況ではないといえるのではないだろうか。

「オフィスワーク(出社)中心の働き方」と働く満足度

では次に「働き方」と「働く満足度」との相関関係について見ていきたい。

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行をきっかけに、日本でも「リモートワーク(在宅勤務)」や「ハイブリッドワーク型(在宅勤務とオフィスワークの折衷型)」といった働き方が一般化した。それでも、従来と同様に「オフィスワーク(出社)中心」で働く就労者の数は多く、今回の調査でも全体の5割近く(47.2%)がオフィスワーク中心で働いていることが明らかになった(図2)。

図2:現状の働き方(n=635)

資料:アトラシアン株式会社2022年6月調査(「働く環境の実態&意識調査」)

当社では基本的に在宅勤務は認められないとのこと。この職場を選んだのは自分だが、柔軟性のなさに退職を検討している(20代 男性)

もちろん、オフィスワーク中心の働き方が就労者の望みであれば、この働き方が社員の満足度に負のインパクトを与えることはない。

ただし、今回の調査結果を見るかぎり、オフィスワーク中心の働き方を望む就労者は少なく全体の22.0%でしかない。つまり、就労者の多く(全体の27.2%)が自分の望まない働き方(=オフィスワーク中心)での勤務を強いられているわけだ(図3)

図3:現状の働き方と望む働き方(n=635)

資料:アトラシアン株式会社 2022年6月調査(「働く環境の実態&意識調査」)

自分の望まない働き方を強いられることは、チーム・組織に対する満足度、あるいは働く満足度の低下へとつながる。

経営側の言う“リモートワークは甘え”は、決断できず、既成概念・既得権にしがみつく経営者自らの甘えである(50代 男性)

実際、今回の調査結果をクロス集計したところ、オフィスワーク中心で働いている人は、リモートワーク中心、ないしはハイブリッドワーク型で働いている人に比べて、自分の組織・チームに満足感を抱いている割合が低く、かつ「不満(不満、非常に不満)」に感じている割合がかなり高いことがわかった(図4)。

図4:組織・チームへの満足度と働き方との相関関係(n=635)

資料:アトラシアン株式会社 2022年6月調査(「働く環境の実態&意識調査」)

在宅勤務は邪魔が入らず非常に快適で、 もう完全出社には戻れない気がする」(40代 男性)