アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』から新着コラム。WORK LIFEの外部ライターであるジョナサン・トンプソン(Jonathan Thompson)が、性格検査「MBTI (Myers–Briggs Type Indicator)」で分類される16タイプの人と上手に働く方法を伝授する。

タイプ13:ESTJ ── 有能なオーガナイザー「Executive(エグゼクティブ)」

【ESTJタイプの人となり】
ESTJタイプは、実効性の高い意思決定を下せる人であり、伝統・組織・勤勉を重んじ、几帳面で、組織に対するロイヤリティも高い。スポーツチームで例えれば、ESTJタイプはベテランのキャプテンのような人である。

【ESTJタイプとのコラボレーション方法】
「ESTJタイプは、自分や自分の周囲をオーガナイズすることを非常に好みます。その性格はチームにとってプラスになる可能性がある一方で、リモートワーク体制下でESTJタイプがテキストだけで周囲に指示を出すと、横柄で攻撃的な印象を相手に与える可能性があります。したがって、ESTJタイプに対しては、テキストコミュニケーションをより慎重に、かつ巧みに行うよう注意を喚起する必要があると言えます」

タイプ14:ESFJ ── サポーター的コントリビューター「Consul(領事)」

【ESFJタイプの人となり】
ESFJは、集団に奉仕することに喜びを感じるタイプであり、社交的で親切心に富み、通常は自分よりも他者のニーズを優先させる。リモートワーク体制下では、オンラインクイズやオンライン飲み会を率先してオーガナイズしたり、同僚たちにメッセージを送り、それぞれの健康状態をチェックしたりするタイプである。

【ESFJタイプとのコラボレーション方法】
「ESFJタイプは、人のために働くことが大好きなので、最高のプロジェクトマネージャーと成りえます」と、ピーコック氏は指摘したうえで次のように説明を加える。「ESFJタイプの人は、オーガナイズされているだけではなく思慮深くもあり、プロジェクトのまとめ役として適任です。また、彼らの優しさと忍耐強さは、フルリモートで新人をチームに招き入れ、教育・育成する際にも有効に機能します」

タイプ15:ENFJ ── 思いやりのあるファシリテーター「Protagonist(指導者)」

【ENFJタイプの人となり】
ENFJタイプの人は、生来のリーダータイプの1つだ。ただし、論理や合理性よりも直感と感情に基づいて行動するタイプであり、このタイプの人がチームのマネージャーである場合、メンバーに対して多くのインスピレーションを与えるはずである。また、仕事に対して非常に意欲的であり、周囲のニーズに強く共感するタイプでもある。エイブラハム・リンカーンはENFJタイプの典型と言える。

【ENFJタイプとのコラボレーション方法】
ENFJタイプは人に対する奉仕に力を注ぐあまり、自分のニーズをなおざりにしがちで、燃え尽き症候群に陥る場合もある。ただし、ESFJタイプは、ポジティブな思考がネガティブの施行を大幅に上回るのが通常である。

「組織の中にENFJタイプがいる場合、その人がたとえ指導的役割を担っていなくても、グループディスカッションを主導させることは良いアイデアと言えます。このタイプの人は、Web会議のホストとして、議論、コンセンサスづくり、参加者からアイデアの収集・結合の中心にいるべきです」

タイプ16:ENTJ ──決断力のある戦略家「Commander(コマンダー)」

【ENTJタイプの人となり】
ENTJタイプは、論理的なプランナーであり、解決策を特定することを好む。このタイプの人は知識を重視し、非効率性に対しては不寛容である。総じてカリスマ的で自信家でもあり、共通の目標を持つ自分の周囲をやる気にさせる能力も持つ。

【ENTJタイプとのコラボレーション方法】
「“ビッグピクチャー”を描いたり、大きな決断を下すことを好むENTJタイプは、リモートワーク中に問題を引き起こす可能性があります」と語るのは、ハックストン氏だ。同氏は次のように説明を続ける。

「このタイプの人は、森の全体をとらえることはできても、枝葉にまで気が回らないことが往々にしてあり、人の意見を聞かずに独断で意思決定を下し、仕事を進めてしまうリスクがあります。ゆえに、ENTJタイプがチームにいる場合には、自分の立ち位置をディレクションとコンサルテーションとの間に置き、そのバランスを取りながら仕事を進めることの大切さを意識させることが重要です」

自分のタイプを確認するには?

以上、MBTIで分類される16の性格タイプについて紹介した。おそらく多くの読者が、自分や自分のチームのメンバーが、どのタイプに類別されるかが気になっているはずである。それを確認するには、MBC社が提供する公式のMyers-Briggsテストを受けるか(日本MBTI協会が日本語でも提供)、心理学者が推奨する同様の無料の性格診断テストを使うのが手早い方法と言える。そして、これらのテストをチーム全体で受けてから、結果を共有することをお勧めしたい。