アトラシアン本社の情報サイト『Inside Atlassian』より。アトラシアンが、280名のITリーダーを対象としたForrester Consultingの委託調査をもとに、AI全社展開を阻むツール乱立とサイロ化の実態を明らかにし、拡張性の高い基盤への集約がなぜ今、戦略的急務なのかを解説する。

本稿の要約を10秒で

  • ツール乱立とサイロ化がAI全社展開の最大の足かせになっている
  • 基盤を「数を絞り、拡張性の高いもの」に集約することが突破口になる
  • デジタルワークプレイス基盤をコストではなく戦略資産として位置づけることが成長の鍵となる
  • 意志だけでなく、それを支える構造を今すぐ整えることが求められている

AI、テクノロジーの進化、そしてマクロ経済の変動によって、組織の働き方は根本から変わりつつある。そしてIT部門のリーダーたちは、この変化に対応しているだけではない。自社の働き方そのものの戦略的方向性を定義する立場にある。

アトラシアンの委託によりForrester Consultingが実施した最新の調査では、世界のITリーダー280名(ディレクター層44%、VP・CIO層56%)を対象に、企業がデジタルワークプレイスにどう向き合っているかを明らかにした。そこから浮かび上がった命題は明確だ。顧客体験の向上、ビジネスの俊敏性強化、そしてセキュリティの確保——その実現に向けた中核的な戦略レバーとして、業務管理・コラボレーション基盤が位置づけられている。

成功に最も近い組織は、ツールを増やしているのではない。よりスマートな基盤を築いているのだ。

AI活用を阻む壁とは?

調査回答者の64%が、現在の業務管理・コラボレーション技術基盤に自信があると答えている。しかし詳しく見ると、理想と実態の間にはギャップが存在する。

チーム間のサイロ化が依然として最大の障壁であり、部門横断の連携が最優先課題となっている

Forresterの調査では、ITリーダーの75%が部門横断のチーム連携・実行の効率化を今後12〜36か月で「重要」または「極めて重要」と位置づけている。これは業務プロセスの漸進的な改善の話ではない。大規模な組織が"一体となって"前に進むための仕組みそのものを根本から再構築する、という話だ。

しかし、理想と現実のギャップは依然として大きい。リーダーたちはコラボレーションの障壁を取り除く緊急性を認識しているが、彼らが直面する課題は構造的に根深い。同調査ではCレベルのIT幹部の68%が、サイロ化による認識のずれ・業務の重複・非効率を目標達成を阻む最大の課題に挙げた。さらにITリーダーの52%がナレッジとデータの分断を重大な障壁として指摘している。

そして、この分断は問題を増幅させる。ITリーダーは現在、バンドルの一部として平均9つの業務管理・コラボレーションツールを購入しており、82%が業務管理に2社以上のベンダーを利用、38%は6社以上を使っている。このレベルのツール乱立は、単に業務の足かせになるだけではない。複数ベンダーを利用するリーダーのうち58%が、ツールとデータの断絶がAIのスケーリングを妨げていると回答している。

AIが学習すべきデータがバラバラのシステムに散在していれば、パイロットから全社展開へ移行する難易度は指数関数的に跳ね上がる。こうした課題は、CIOが最も重視する成長・俊敏性・顧客満足度の目標を直接的に損なっている。

一方で、AIがもたらす機会も明確だ——たとえその道のりがまだ初期段階であっても。AIの全社的な実用化を達成したITリーダーはわずか14%にとどまり、大多数はまだ検討・試験導入・拡大のフェーズにある。それでも意欲は揺るぎない。テクノロジー業界のITリーダーに絞ると、81%がAIを中核業務プロセスに組み込むことを将来の最優先投資領域に挙げている。

現在のITリーダーが優先しているのは、チームをつなぐことだ——実行スピードを高め、AI全社展開の土台を築くために。

意志は明確だ。問われているのは、それを支える基盤があるかどうかである。

シンプルかつスケールできる基盤づくり

進むべき道は見えてきた。しかし、ここ数か月で決断し、動き出せるかが勝負だ。

戦略の核は、数を絞り込んだ拡張性の高い基盤への集約にある。

同調査では、ITリーダーの71%が「チーム・業務・ナレッジ共有を全社横断でつなぎ、将来のニーズに応じて進化できるプラットフォームが重要または極めて重要だ」と回答している。また74%が、エンタープライズ規模でのガバナンス・セキュリティ・コンプライアンスの強化を今後12〜36か月の重要課題に挙げた。

最近の傾向は、拡張性とガバナンス強化への明確なシフトを示している。大胆な賭けに出るのではなく、IT部門は「拡張しやすく、管理しやすく、設計段階から説明責任が組み込まれた」基盤を優先している。こうした選択は、ニーズの変化への適応と、AIの段階的な実用化の両方を容易にする。

それがうまくいっている最も明確なシグナルは何か? 大多数のITリーダーが、従業員の生産性向上こそが業務管理・コラボレーション技術戦略の成果を示す第一の指標だと答えている。

確かな足場を築く

すべての調査結果を貫くテーマがある。未来を手にするのは、デジタルワークプレイス基盤をコストセンターではなく戦略的資産として扱う組織だ。全社横断でチームとナレッジをつなぎ、分断を解消し、AI活用に備えた土台を築いた組織こそが、変化への耐性・俊敏性・持続的成長を手にする。

現代のデジタルワークプレイス基盤は、企業パフォーマンスを左右する戦略レバーになりつつある。今それに気づいた組織が、大きなアドバンテージを得ることになる。

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