アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』から新着コラム。メインライターのサラ・ゴフ・デュポン(Sarah Goff-Dupont)が、組織の変革をリードするための秘訣を、作家で元修道士のジャイ・シェティ(Jay Shetty)氏へのインタビュー内容に基づきながら解説する。

支持者の適切な集め方を知る

上記のようなプレゼンテーションを展開しても、それほど多くの支持者が集められないこともある。また、一定数の支持者を集められたとしても、ともに変革を推進してくれる協力者が確保できない場合もある。というのも、組織で働く人たちは、誰もが忙しく、自分の仕事をこなすだけで手一杯の状況にあるのが通常だからだ。とはいえ、変革をリードするうえでは、適切な協力者、支援者を探し当てたり、集めたりすることが欠かせない。それはいわば、チェンジメーカーになるための基本のステップでもある。

シェティ氏によれば、変革の遂行時に必要になる協力者・支援者は、「チアリーダー」と「チャンピオン」の2タイプに分かれるという。それぞれの「概略」と「見つけ方」は以下に示すとおりである。

チャンピオン

【概略】
変革のプロジェクトに資金を提供し、抵抗勢力を排除し、会社の経営層と変革のアイデアを共有できる人たちを指す。

【見つけ方】
会社の幹部に声をかけ、上述したようなプレゼンテーションを展開したうえで、どのような手助けが必要なのかを具体的に説明して支援を請う。

何らかのプロジェクトを立ち上げようとした場合、人はよく直属の上司に相談を持ちかけようとするが、直属の上司が組織変革の遂行を許可したり、資金的援助をしたりする権限を有していないことが多い。したがって、チャンピオン探しは、会社の経営陣をターゲットに行うべきであるとシェティ氏は指摘し、こう続ける。

「そのチャンピオン探しを通じて、経営陣の誰もあなたのアイデアに理解を示さなかったとすれば、それはプレゼンテーションの方法が間違っているか、あなたのアイデアが組織の目的と合致していないことの現れであると判断すべきです」

チアリーダー

【概略】
変革に対する情熱を共有してくれる仲間を指す。彼らは、変革を推進しようとする人を精神的にサポートするだけでなく、変革の推進に熱意をもって手を貸してくれる可能性がある。ゆえに、チアリーダーを探し当てる努力、あるいは、集める努力は惜しむべきではないだろう。また、リアリーダーの数が多ければ多いほど、変革のアイデアが社内で広く知られる可能性も高くなる。

【見つけ方】
シェティ氏によれば、チアリーダーを見出すうえでは、社内で他者とは少し違ったことをしている人物を探すのが有効であるという。

「他者とは少し違ったことをしている人というのは、リスクを取って新しい働き方や仕事の進め方にチャレンジしている人という意味です。こうした人は大抵の場合、非合理なことを嫌い、職場での服装が自由であったり、プレゼンテーション資料のデザインが非常にユニークでありながら、その表現力が高かったりします。そうした人は『チェンジメーカー仲間』として、変革を推進しようとしている人の強力な味方・支援者になってくれる可能性が高いといえます」

優れたリーダーを観察し見習う

もしあなたが、会社組織に献身的に貢献するタイプの従業員であった場合、組織変革のリーダーやチェンジメーカーになろうとは思わないかもしれない。ただし、本来的には、組織で働くすべての人がリーダーやチェンジメーカーになるべきといえ、それによって組織は時代の変化に適合しながら、自らを成長・発展させられる能力を身に付けることができる。

ゆえに、シェティ氏は、すべてのビジネスパーソンに対し、自分の尊敬するリーダーを観察し、その人の優れたリーダーシップが何によってもたらされているのかを突き止めるよう勧めている。

優れたリーダーは、組織階層上の地位とは関係なく存在します。ゆえに、肩書きにとらわれているとリーダーとしての人の実力は見えてきません。したがって、人の肩書きはすべて忘れて、優れたリーダー、あるいは尊敬に値するリーダーを見つけ出すことが大切です。そのうえで、尊敬に値するリーダーが、どのような経験を積み、いかなるスキルと資質を身につけてきたのかを見定め、それを見習うことが大切です。そうすることで、誰でも組織の変革をリードするチェンジメーカーとしてのスキル、資質を身に付けることが可能になります

繰り返すようだが、組織の変革をリーダーするチェンジメーカーには組織内の誰でもなれる。必要なのは、アイデアと情熱、そして他者と協働する能力だけである。