アトラシアン本社の情報サイト『WORK LIFE』から新着コラム。アトラシアンの最高収益責任者(Chief Revenue Officer:CRO)、キャメロン・ディーチ(Cameron Deatsch)が「フライホイール効果(Flywheel Effect)」によってビジネスを成長させるための方法を指南する。

レッスン 6: 数多くの友人を作る(顧客編)

製品・サービスの利用者が互いに質問を投じたり、意見を交換したりするためのオンラインフォーラムを提供することは、効率よく人々の関心を維持する方法である。

実際、アトラシアンのコミュニティプログラムは、お客様が自ら作り上げたナレッジベースやディスカッションスレッド、記事コンテンツ、さらにはユーザー主導のイベントを含むWebサイトへと進化している。その背後で活躍しているのは、製品・サービスのユーザーをファンに変えることを主なミッションとする小さなチームである。彼らは、コミュニティの中で活発に活動し、他のユーザーに役立つ情報を発信し続けているメンバーを把握し、一定のインセンティブを供与している。加えて、イベントを主導する「コミュニティチャンピオン」をリクルートし、イベントのプログラムやプレゼンテーション資料を提供しながらサポートする施策も展開している。

レッスン7: “エンタープライズ”の罠(わな)に陥らない

設立からそれほど歳月が経過していないB2B企業が、“エンタープライズ”に類する大手企業の顧客ベースを拡大させ始めると、なぜか興奮状態に陥り、歴史ある成熟企業のように振舞おうとしがちになる。そして、小さな顧客を軽んじるようになり、大規模な取引を優先しようとする。これは、合理的な判断と言えなくもないが、“エンタープライズ”の罠(わな)にかかっている兆候でもある。

大規模な契約に集中することで、日々の製品・サービスを売る仕組み作りがおろそかになり、多くの顧客を失う。これはフライホイールの停止(ないしは、機能不全)へとつながっていく。ところが、少数の大手顧客の課題に耳を傾け、その課題を解決するための機能を開発して大規模案件を獲得していると、B2B企業はその魅力にはまってしまい、他の顧客がその機能を望んでいるかどうかに関係なく、大企業偏重のモードから抜け出せなくなってしまうのである。

レッスン 8: グローバルに考え、ローカルを知る

ある米国企業がドイツ市場で地歩を固めたいと考えていた。ところが、彼らのWebサイトのコンテンツとトーンはドイツの顧客にはそぐわないかったため、ドイツ向けに個別のWebコンテンツを作った。また、彼らの製品・サービスの販売形態はWebを介したセルフサービス型であるが、ドイツではそのスタイルが好評ではないため、彼らの新しいドイツ向けのWebページには営業チームと連絡を取るための問い合わせ先も入れた。これにより、彼らのフライホイールは根本的に瓦解することになった。

フライホイールモデルによって顧客ボリュームの量的拡大を目指すのであれば、グローバルでも同様の姿勢を保つのが基本である。また、ターゲットとする国ごとにGTM戦略を特注で策定するのも避けるべきである。とにかく、Webサイトを適切にローカライズして、顧客が母国語で製品・サービスについて簡単に学べるようにするなど、基本から始めることが大切である。それによって手にできる効果の大きさにいずれ驚かされることになるはずである。

レッスン 9: アクティブユーザーを最優先に考える

ユーザーによる製品・サービスの利用度は、会社の将来を示す最良の指標である。製品・サービスをどれだけ販売したところで、使われていないのであれば意味はなく、使われているならば、顧客はそこから価値を得ていることになる。製品・サービスがサブスクリプション型で料金体系として従量課金制を敷いていれば、製品・サービスの使用量に応じて料金を設定できる。

サブスクリプションモデルの採用は、摩擦を軽減するのに適しており、収益源も安定する。また、ユーザーの追加、製品・サービスの上位版の提供、追加製品の提供などを通じて、顧客との関係を強化・拡大できる。したがって、フリーミアムモデルであっても時間の経過とともに徐々に収益化できる。

レッスン 10: 企業のコーポレートバリューによってフライホイールを強化する

私がアトラシアンに入社したのはおよそ10年前のことだ。当時のアトラシアンはベンチャーの文化を色濃く残していたが、今日のアトラシアンは6,000人以上の従業員を擁し、各国にオフィスを構え、50億ドルを超える収益を上げるという野心を持つ企業へと生まれ変わっている。ただし、コーポレートバリュー、すなわち価値観には変化はなく、出荷するあらゆるソフトウェアの機能、発売するすべての製品、すべての投資は、あらゆるチームの可能性を解き放つことに集中している(図3)。

画像: 図3:アトラシアンの5つのコーポレートバリュー

図3:アトラシアンの5つのコーポレートバリュー

製品・サービスを「売る」のではく「購入してもらう」

いまは、あらゆるビジネスリーダーにとって大きなターニングポイントとなりうる時期である。新しい働き方や経営方法を再考すれば、持続的で長期的な成長が期待できる。「ロータッチ」で、高度に自動化されたフライホイールアプローチは、安定した成長を促進し、今日の不確実な時代に最適なビジネスモデルと言える。また、「非対面」「非接触」で、自分の課題を解決する製品・サービスを選び、学び、購入しようとする今日の消費者の行動様式にもフィットしている。アトラシアン自身の経験からも、「人々が売り込まれるのを嫌っていること」「自分の自由な選択と意思に基づいて製品・サービスを購入したいと願っていること」が明確に見てとれる。

ゆえにアトラシアンでは、熱狂的なユーザーを有する製品・サービスを提供し、口コミやデータ駆動型のデジタルな顧客接点を活用しながら、ハイスピードで回転するフライホイールを形成し、お客様が自分のペースで購入が決定できる環境を整えている。この高効率の「GTMマシン」の稼働には収益の15%しか使っておらず、その結果、製品の研究開発に多くの資金を投入することができている。

私は、他の企業にも自動化されたセルフサービス型の販売活動に注力することをお勧めしたい。これにより、研究開発投資の拡大が可能になり、それがまたフライホイールの回転をより高速にするという好循環をもたらすことになる。もちろん、十分なフライホイール効果を手にするまでの道のりは長くて険しい。しかしそれは、指数関数的な成長を実現するための勝利の道筋でもあるのだ。

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